強き者と賢き者と Kindle版 無料キャンペーンのお知らせ

  • 2020.05.31 Sunday
  • 13:58

JUGEMテーマ:小説/詩

 

強き者と賢き者と | 葵むらさき | Kindle本 | Kindleストア | Amazon

★5月31日(日)〜6月4日(木)まで無料配布中★

 

◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇

 我々はリーグ戦のコマとして使う「強き者」を求め、とある渦巻銀河の辺境へとやって来たのだが──表題作ほか9編収録のショート作品集。

≪収録作品≫
 ヴァーユ
 おかあさん
 ストーキング
 でぃりーしゃあす
 どれにしようかな
 一枚の写真
 強き者と賢き者と
 時計が刻を告げるまで
 正義の仕事は終わらない
 川べりにて

◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇

 

 今回無料配信キャンペーンは、上記ショート作品集でございます。

 その昔EZWeb公式コンテンツにて配信していた元商用小説も含め、ツイッターで毎日連載していたもの、現在連載中のもの、将来的に連載予定のもの、ひっくるめて入っております。もう全部。

 ギャグからシリアスまで色々あります。執筆時期は15年前〜数年前ぐらいにかけて、だと、思いまする。

 以下一部抜粋です。

 

=========================

 局内の一室では慌しく、最後の打ち合わせが行われていた。
「それで、番組で使う写真は用意できてるのか?」一人が訊いた。
「ああ、これだ」別の男が白い封筒から一枚の写真を引き抜いて渡した。
「この女性か……おい、これは何だ?」受け取った男はその写真のひと隅を指さした。
「え?」
「どらどら」
「――ああッ!」
 室内に恐怖が満ちた。「顔だ」
 そう、そこにはぼんやりと白く、だが明らかに恨みの形相を浮かべていると思われる人の顔が、写り込んでいた。
「う、うわあああ」
「心霊写真だ」
「こわっ!」
 彼らは怯えた。
「ど、どうするよこれ?」
「ううむ……焼き捨てるか」
「その前にご供養してもらわないと」
「ちょっと待て」一人が場を制した。彼は、霊とは別のところを指さした。「これは?」
「ああっ」
「こ、これは!」
 彼らは再び震撼した。
 それは窓の向こうの空の部分で、そこにはぽつんと、小さな粒のようなものが写り込んでいたのだ。
「UFOだ」
 確かによく目を凝らしてみると、それはアダムスキー型の未確認飛行物体だった。
「ど、どうするよ?」
「これは大発見――大スクープだ!」
「ちょっと待て」更に一人が、今度はもう一枚の窓の向こう、雪の積もった地面の一画を指さした。「これは何だ?」
「ああっ」
「こ、これは!」彼らは仰天した。
 その片隅にはほんの一部だが、毛むくじゃらの男の姿が映っていた。真っ白な体毛。そして周りの物体と比較してみると、それはかなり巨大である筈だった。
「ビッグフットだ」
「うおお」
「で、でけえ」
「足跡まで見えるぞ」
「本当だ」
「ど、どうするよ?」
「ううむ……」
 その時、また一人が、今度はその部屋の中に置かれてあるテレビラックの背後の辺りを指差した。「おい、これ!」
 見るとそこには、黒いビール瓶のような形の物が半分ほど覗いていた。
「ああっ」
「こ、これは」
「ツチノコだ!」皆は凍りついた。
「な、なんでツチノコがこんなところに」
「いや、とにかくこれは大変なことだ」
「ま、待て」一人が写真を持ち上げ、目の前に近づけてじっと見つめた。「これ、は……?」
「な、何だ」
「何がある」
「ほら――ここ」その男が指で示したのは、その写真の中央に写った老婆のかけている眼鏡だった。
「ここに、何が?」
「――うわあっ!」彼らはそれを発見した。
 眼鏡のガラスの中に、奇態な恰好をした生き物が写っていた。
「エイリアンだ」          (「一枚の写真」より)

=========================

 

 他の作品もKindle版にて、この機会にぜひどうぞ!

 

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紫焔フィリア Kindle版 無料キャンペーンのお知らせ

  • 2020.05.26 Tuesday
  • 13:37

 

JUGEMテーマ:小説/詩

 

紫焔フィリア | 葵むらさき | 小説・文芸 | Kindleストア | Amazon

★5月26日〜5月30日まで無料配布中★

 

◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇

 ショア惑星王国の王室に、一人の姫が誕生した。
 その瞬間、王室内に暗雲が立ち込めた。
 何故なら生まれた赤ん坊の髪が、紫の色をしていたからだ。それは燃え立つ焔の色、ショア精神世界の根幹たる教典に伝えられる魔物ブリメットの髪の色だった。
 呪われた遺伝子を持つ者として赤子の父親であるハルに死罪が言い渡される。折しも隣惑星国を訪れていたハルはその場で捕えられ、最愛の妻レミアにも、愛しい我が子にも会うことを許されず処刑の星へと連行される──はずだった。
 ハルを運ぶ航宙船の前に、黒い船体にアクアブルーのラインをあしらった一隻の国籍不明船が立ちはだかる。
 スペースヴァイキングと呼ばれる彼らの筆頭に立つのは若き頭領・マサだった。ハルの身柄は計略により、宇宙海賊の手に委ねられることとなったのだった──

◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇

 

 という、長編宇宙海賊物語です。

 もう15年以上も昔にWEB連載しておりましたもので、当時はシリーズものとして続けるつもりでございました。

 本作品はその1stエピソードとなります。

 2ndエピソードも近日出します予定です。

 以下、本文より抜粋です。

 

=========================

 ハルが決定事項を知らされたのは、その晩、軌道周回する航宙ステーション内のホテルにおいてであった。
 ウィンドウスクリーンに映るリュキ表面の美しいデジタル処理画像を見つめながら、彼は切れたばかりの映話機の前で長いこと呆としていた。
 自分が死ななければならない、という事を、にわかには呑み込めなかった。
 笑って冗談にしてしまえそうな感さえある。そして何事もなかった様に自分は無事レミアと赤ん坊フィリアがにこにこして向えてくれる宮殿へ戻って行き……
 思い出したように、テーブルの上のワインを取る。
 再び、映話機が受信を告げた。
 リーヴィアンスだった。ハルは認容させた。
「ショア王室評議会の決めた事というのは真実なのですか」彼はせき込むように訊ねて来た。
「ええ」ハルは頷く代りに瞼を一瞬伏せた。
「私は直ちに抗議します」リーヴィアンスは間を置かずに続けた。「何故紫色の髪の毛だというだけの事で、貴い生命が奪われなくてはならないのですか」
「――」余りにも原始的だ。ハルは再び、リーヴィアンスの言葉を思い起していた。余りにも……原始的だ。
「直ちに決定を撤回するよう、リュキ連合国あげて要求します」
「お心遣い、非常に嬉しく思います」ハルは微笑んで謝意を述べた。それで本当に決定が覆るなら、という、溜息混じりの本音はこの際、心の裡に押し止めた。
「原始人に社交辞令がきくものか」映話の後、彼はそう呟いて自虐的に笑った。
 今は――今望むのは唯ひとつ、最愛の妻と娘の許へ今すぐ戻り、その無事を、原始人達から無用の脅かしを受けていない事を確認する、それだけだった。
 みたびコールがあったのは、ワイングラスも空になりそろそろ床に就こうと、ウィンドウスクリーンを切りかけた時であった。
 送信者は義理の弟、海賊マサであった。
「今宵貴殿をギロチンパーティーへお誘いに上がりました」マサはそう告げて低く笑った。
「御苦労、余の首ちと高値につくぞよ」ハルは答えながら、ワイングラスを再び満たした。マサとの会話を肴に呑むのが一番旨い。「ショアからか?」
「いや、船に戻ったよ。スクランブルの為にね」
「そうか……レミアは――大丈夫だった?」
「ああ、気丈なもんだよ。もし赤ん坊が殺されるって事で決着ついてたら、母子共々海賊に転職する心算って感じだったぜ――ところでさ」
「評議会の決定事項は、聞いたよ」
「ああ。だろうね。で、俺が云いたいのは、ギロチン台まで迎えに行くから、まあ、安心して斬首の時刻を待ってなって、そういうこった」
 ハルは、高らかに笑った。「そう云ってくれると信じてたよ」それから真顔になった。「けど……大丈夫か?」
「任せときなって」マサはウインクしてみせた。「えーと何んでも処刑の日時は来月十三番目の日正午、北衛星の巨人岩の丘で行われることになりそうだってよ」
「ふむ、そこで俺が殺されるって訳だな」
「予定としちゃな。だがその前にスペース・ヴァイキング船が髑髏の旗を揚げてショア王子の乗った船ごとかっさらい、特異航路へ姿を消す――という筋書きにしてんだけど」
「うん。……わかった」ハルは頷いたが、その顔は決して明るくはなかった。
「――まあ、家族にはちょっと逢うヒマないか知んないけどさ」マサは義兄の心中を察して、照れ臭そうに気遣う。「取り敢えず生き延びるのが先決だよ、その内会えるように何とか手配するからさ」
「そうだな」ハルは眉を上げ笑って見せた。「ショアに着いてから海賊に誘拐されちまったなんて事になると、これ又話が変になるしな」
「そーそ、何かつながりがあると思われる、王室と海賊との間に」
「海賊は宙域にいるからこそ海賊なんであって、地表へ降り立ったら意味がなくなるしな」
「ただの“元王子”になっちまう」
 二人はその後、ショア王室専用航宙船襲撃計画について打ち合わせを行い、結局ハルが眠りに就いたのは寝ようと思った時からホテルの部屋がリュキ軌道を半分も回り込んだ後の事であった。リュキの太陽が一旦惑星の向こうに隠れた後再び弧の陰から光を洩らし始めた頃で“朝から眠る”感じがないでもなかった。とにかくハルは、フィリア誕生の報せを受けてからこっち、初めての“安眠”を体験することができた。      (4.策謀 より)
=========================

 

つづきはKindle版にて、この機会に是非どうぞ!

 

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魔法野菜キャビッチ3・キャビッチと伝説の魔女 74

  • 2020.05.26 Tuesday
  • 09:03

JUGEMテーマ:小説/詩

 

「火起こしか」ユエホワが言う。
火起こし――まだ姿を見ていないとハピアンフェルが言っていた、妖精たち。
どこにいるんだろう――
どうすればいい――
「ポピー、これを使え」ギュンテが空の上からさけぶ。
「え」上を見上げると、
「燃えないキャビッチだ」ギュンテはそう言って、雲の上から私に小さなキャビッチを投げてきた。
それは、さっきギュンテの水がめに入れておいた、私のキャビッチだった。
小さな、キャビッチ。
その一個だけでは、たとえ燃えないとしても何のダメージも与えられないだろう。
だけど。
私はそれを受け取るやいなや、頭上に高くさし上げて「リューイ」と叫んだ。
ぐん、とたちまちキャビッチが巨大化する。
まわりの大人たちが全員息をのんでふり向く。
「モーウィヒュージィエアリイ」私はできるだけ早口でつづけた。
ばん、と大きな音がして、最終的にキャビッチは百五十センチほどの直径となり、数は――たぶん、百個ぐらいになった。
ギュンテの水がめに入れておいたおかげだ。
よし。
いや。
これを今からどうやって投げる?
「みんな」母がさけぶ。「箒で打って」
おおお、という叫び声があがったかと思うと人びとは、それぞれ自分の乗っていた箒を両手にかまえて、空中に浮かぶ私のキャビッチをばしばしと打ちはじめた。
打たれたキャビッチは猛烈な勢いで、アポピス類たちを攻撃し、やつらはたちまち後退しはじめた――姿を現していないものも、おそらく。
私も――はじめてやることだったが、自分のツィックル箒を右手から横にふり、巨大化キャビッチを二個ほど打ち飛ばした。
手と腕が、じんじんとしびれる。
「またこんな」頭上でユエホワが、両腕を翼に変えて飛びながらその翼でキャビッチを打っていた。「あほみたいにでっかくして増やしてー」ぶつぶつ言いながら。
「ほほほ」その隣で祖母が笑う。祖母は箒にまたがって空中に浮かび、ツィックル箒の柄の先を巨大化キャビッチに近づけるだけで、そのキャビッチをものすごいスピードで遠くに飛ばしていた。ツィッカマハドゥルだろう。
私はじんじんする腕をさすりながら口をとがらせた。あほみたいってなんだよ。それに笑わなくたっていいじゃん……
「アポピス類たち」母が叫ぶ。「勝手に来て畑や聖堂を作ったりしたのは悪かったわ。だけどなぜそれが必要なのか、私たちと話し合いをして欲しいのよ。あなたたちはそうするべきだわ。もう攻撃をしかけてこないと約束してちょうだい」
「わあ」ギュンテのそっとつぶやく声が上から聞こえてきた。「俺が言おうと思ってたことぜんぶ言われたなあ」
「今すぐにここから出て行け」怒鳴り返す声が、どこかかなり遠くから聞こえた。姿は見えない。「お前たちの作るものも、お前たちと話すことも、我々にはいっさい必要ない」
「あなたたちはラギリス神を信奉しているの」母も負けずにさけぶ――というか、怒鳴り返す。「そもそもラギリスという名前の神さまのことを知っているの」
しん、としずかになった。
誰も答えない――ということは、知らないのか?
「なんてことかしら」母は顔をそむけてため息をついた。「自分たちの世界をつくってくれた神さまを崇めるどころか、知らないだなんて」
「知らないことはない」アポピス類の声が、さっきよりは近くから聞こえてきたが、それはなぜかさっきよりも小さかった。「この世界が我々に与えられたのは、他でもないそのラギリスのおかげだ。そのことについては大いに感謝している。だが」そこで声はとぎれた。
「だが、なによ」母がせかす。なぜか私が内心あせってしまう。早く答えないと。
「だが、彼の役目はそこまでだ」声がきっぱりといいはなつ。「世界ができた以上は、その世界を運営していくことが重要だ。我々は今その点に力を向けている。悪いがラギリスの出る幕はもう、ない」
「なんですって」母も、他の人びともざわめいた。
「ひどい」
「なんという言い草だ」
「神の冒涜だ」
「神罰が下るぞ」
「我々はこの地母神界を、鬼魔界にも引けを取らぬ――いや、それをしのぐほどの強国にする」アポピス類は声を大きくした。「神だの聖堂だのに頼っていてはそれはかなわない。キャビッチなども我々には不要。必要なのは魔力と武力、そしてすぐれた参謀だ」
「すぐれた参謀ってお前のことか、ユエホワ」ギュンテがまた上から声をかけてくる。
「ん」緑髪鬼魔はちらっと上を見てから「ああ、まあ……らしい」と、ちょっと照れ臭そうに答える。
「ぷーっ」ギュンテは雲から顔をのぞかせて、ほっぺを大きくふくらませてふきだした。
「なんだよっ」ユエホワは肩をそびやかして文句を言う。
「では妖精たちを解放なさい」今度は祖母がアポピス類に向かって言った。「あなたたちのせいで、罪もない妖精たちがひどい行いを強いられているわ。それは許されないことよ」
「妖精たちは我々と契約を結んでいる」アポピス類はあいかわらず姿の見えないままで言い返した。「やつらにも相応の利益あってのことだ」
「ではなぜ反乱を起こすものが出ているの」祖母がきく。「契約は意味をなしていないわ」
「ほんの一部だ」アポピス類はなおも言い返す。「すぐにそいつらは鎮圧する」
「ほんの一部?」
「このありさまでまだそんなことをいうのか」
「水がからからじゃないか」人びとが口々に言う。
「いっとくけど」ユエホワが声をはり上げる。「俺は加担しねえからな。妖精退治にも、鬼魔界との戦争にも」
「世界がこうなっているのはラギリスのせいだ」アポピス類は怒鳴る。「世界をつくった神だというのなら、今のこのありさまを責任をもって修復するべきだ。それをしてこその神だろう。違うのか。我々を救いもしない者が神などと名乗ることは許されない」
「あきれた」母がまた大きくため息をつく。「自分たちの都合ばっかりね。神のために働こうという意識はまったくのところないってわけね」
「なげかわしい」
「ありえない」人びとも首をふり、ため息をつく。
「お前たちこそ情けないと思わないのか」アポピス類たちもつぎつぎにわめきだす。「なにが神だ。神にばかり頼って。子どもじゃあるまいし」
「我々は神の子だ」
「役に立たないもののどこが神だ」
もう、カンカンガクガクという感じで、そこにいる全員が大声で怒鳴り合い、わめきちらし合いしだした。
私はただ肩をすくめて耳をふさぐしかなかった。
「ポピー」祖母が箒に乗ったまま上から呼ぶ。「この場を離れましょう。耳がおかしくなっちゃうわ」
「う、うん」私はうなずき、ツィックル箒にまたがって祖母につづき飛びはじめた。
なぜかユエホワもいっしょに飛んでついて来ていた。
「もうああなると、話し合いとは呼べないわねえ」祖母は飛びながら、ふう、と大きく息をついた。「子どものけんかみたいだわ」
「でも」私は飛びながら後ろをふり向いた。「ママたち、だいじょうぶかな」
「だいじょうぶよ」祖母はにっこりと笑う。「フリージアにまかせましょう。私たちは」祖母はそう言って、まじめな顔になった。「反乱を起こしている妖精たちをさがさなければならないわ」
「その、反乱を起こしている妖精たちっていうのは」ユエホワが飛びながら言う。「俺たちがこの世界に来たことに対してどう思っているのかな」
「そうね」祖母は箒の上でうなずく。「それを、直接たしかめたいわ。聖堂を壊したり、畑を荒らしたり、森の木々に火をつけたりしたのは、アポピス類に従っている妖精たちでしょうけれど、反乱している妖精たちはそのことについてどう思っているのか……あるいは、自分たちには何も関係がないとして、だまって見ているだけなのか」
「でも」私は祖母にきいた。「さがしに行くっていっても、どこに行けばいいの?」
「彼らは水を枯らしてまわっているわ」祖母が答える。「水のあるところをさがしましょう」
「でも、どこに水があるかわかるの?」
「ええ」祖母は微笑んで、箒で飛びながら上を見上げた。
「えっ」私も見上げた。
「おう」ギュンテが雲に乗って私たちの頭上を飛んでいた。「まかせとけ」

 

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葵マガジン 2020年05月23日号

  • 2020.05.23 Saturday
  • 17:51

JUGEMテーマ:小説/詩

 

◇◆◇◆多重人格の急須2 〜肉じゃがは時空を越えて〜◆◇◆◇


第1話 舞子、料理する 前編(全40話)

 

「舞子お――」階下から母親の声がした。
「あー?」舞子はベッドに寝転んで文庫本を読んでおり、そのままの姿勢で生意気げな返事をする。
 土曜日の、午後三時ごろだった。
「ちょっとご免だけど、母さん仕事行ってくるわー」母親は云いながら階段を上ってきた。
「仕事?」訊き返しながら舞子が身を起こした時、母親は部屋のドアを開けた。
「うん、ちょっと浜浦さんから電話がかかってきたのよ。バイトの配送の子が急に休んじゃったから、今日だけ夕食届けてくれないかって」
「あそう」舞子は軽く頷いた。
 母は三ヶ月前から、デイサービスセンターでヘルパーの仕事を始めていた。講習に通ってヘルパー二級の資格を取ったのだ。今日は公休日のはずだったが人手が足りないらしく配食係として呼び出されたわけだ。
「あんた、夕飯作っといてくんない?」母親は眉をしかめながらそう続けた。
「はあ?」舞子も眉をしかめた。
「だって配送済んで帰ってくる頃ったら、もう七時近くにはなっちゃうし。それから作ってたら遅くなるし、万が一夕食届けたお年寄りの家でなんかアクシデントでもあったら、七時どころじゃなくなるし、なくてももしかしたら残業ってことになるかも知れないし」母の説明は長かったが、すこぶる早口で行われたのでほんの十秒足らずで終った。
「あたしがあー?」舞子は不満を漲(みなぎ)らせて返事した。
「冷蔵庫の中にある物で、簡単でいいから。味噌汁ぐらい作れるでしょ、じゃ母さん急ぐから、お願いね。お父さんが先に帰ってきたら、母さん仕事だって云っといて。じゃ頼んだわよ」母親はそう云いながら階段を降りて行き、最後の言葉のすぐ後に玄関ドアの閉まる音が続いた。
 家の中は突然静寂を迎えた。
「夕飯をー?」舞子は引き続き不満色を帯びた声で云ったが、もうそれを聞く者はいなかった。

 

 料理なんて。
 舞子はベッドの上で膝を抱え唇を尖らせた。
 食べるのは好きだが、作るのなんてまっぴらだ。
 しかし……
 作らなかったら、母親には当然怒られるだろう。
 そして父親にも。
 舞子の父親は、空腹になると怒りっぽくなる性質があった。
 時々、酒を呑むと暴力的になる父親の話を小耳に挟むが、舞子の父親はさしづめその空腹バージョンといったところだった。
 しかし母親は、仕事で急遽不在となった訳だ。
 ふらふら遊びに行って夕飯の支度をしないのではない。
 即ち自分が何も作らずにいたとして、そのことにより母親が責任を問われるということはまず考えられない。
 ここはやはり、自分が夕食を作るしかなさそうである。
 舞子は、テレビの法律相談番組のゲスト弁護士よろしく、そう筋道を立てた。
 とはいえ――
「あたしがあー?」舞子はもう一度、正面から見た魚類のような口でこぼした。

 

 しかたなく降りて行った台所は、当然ながら無人で、なんだか薄ら寒く薄暗く、まるで自分の家ながらそこだけ異質の世界のような気がした。
 舞子は取りあえず照明スイッチを入れた。そうすると少しだけ、舞子がいつも見知っている、ご飯を食べる時にだけ出入りしている馴染みの場所らしく見えてきた。
 ――簡単でいいっていうんだから。
 舞子はスチール製の食品ストッカーの扉を開けた。レトルトカレーや、おでんの素、シチューのルウなどの箱が並んでいる。
「これこれ」舞子はにこっとして、カップラーメンを手に取った。「これでいい――」
「馬鹿たれが!」いきなり父親の怒鳴り声が舞子の脳裡に轟いた。舞子の笑顔はすっと消えた。
 舞子の父親は、普段は無口で母親にあらゆる決定事を任せているくせに、こと食事のあり方となると、突然厳格な頑固親父に豹変するのだった。
 いくら母親が急に仕事に出てしまったから、と言い訳したところで、自分が帰り着くまでに数時間も猶予があったにも関わらず出されたものがカップラーメンとなると、彼が怒髪天を突く状態になるのは充分予測がつく。
 舞子は再び、テレビのゲスト弁護士よろしく推論を立て、魚類の口で鼻から溜息を吐きつつカップラーメンを戻した。
 ――冷凍食品なら、まだいいかも。
 そう思って冷凍庫のドアを開ける。
 そこには何故か、ラップにくるんだ白い岩のようなご飯たちが大量に積まれてあった。
「うわ、なんでこんな」思わず口走る。
 その陰に冷凍食品も若干あったが、舞子の嫌いなカキフライと、昨日食べたハンバーグの残りと、一昨日食べたコロッケの残りだった。
 そういうものでさえも、舞子の父親の逆鱗に触れかねない。毎日毎日、おんなじ物が食えるか、というわけだ。
 下の冷蔵室を開けてみる。あるのはアジ、大根とニンジン、鶏肉、卵。
 いずれも生で食べたら不味いか硬いか、下手をすると死にかねないものばかりである。
 舞子は口を引き結んで腕組みした。
 ふと、足下に視線を落とす。
 そこには、濃灰色に光る急須が在った。
 舞子はしばし、それを見つめた。
「こんにちは」
 突然急須の蓋が持ち上がって、四、五歳ぐらいの子供の声が聞こえたような気がし、舞子の視界は一瞬くらっと揺らめいた。
 彼女は軽く頭を振った。
 ――魔法使いに、させるか?
 彼女はしかし、迷った。
 アラジンは、ランプの魔法使いに夕飯の支度をさせていたっけ?
 多分、そんな場面は「アラビアン・ナイト」にはなかったように思う。
 ――まあ、いいか。
 どうせ自分はアラビア人ではないのだし。
 舞子は急須を持ち上げ「夕飯の支度を手伝って」と云うと、二回それに向かってお辞儀をした。

 

 ぼん。

 

 軽い爆発音がし、白い煙が台所に立ち込めた。
 ――優美さん、かな?
 舞子はそう思っていた。

 

「ハーイ舞ちゃん、ご機嫌如何かな?」

 

 急須の中から出てきた魔法使いはしかし、舞子の予測した人物とは違っていた。
「正吾さん?」彼女は目を丸くした。
「ふふ、逢えて嬉しいよ」長い睫毛をゆっくりと上下させ、色白のやさ男が台所で舞子に微笑みかけていた。「マイ・スウィート・ハート」
「って……正吾さんが料理、するわけ?  料理担当なわけ?」舞子は相手を指さして茫然と訊いた。
「だって、料理は愛情――だからね。ふふ」正吾はウインクした。
「ははは」舞子は、声は笑えど笑えなかった。
「っていうか他のメンバー達、面倒臭がって来たがらなかったんだ」正吾は肩をすくめた。「皆、食べるのは好きだけど作るのなんてまっぴらだって」
「あんた達ゃ」舞子は苦虫を噛み潰したような顔で首を振った。「それで召使いのつもりなの?」
「あはは、まあまあ。で、まず何をしようか?」正吾はとりなし、腕まくりをした。
「ああ……じゃあ、アジを塩焼きにするから、さばいてくれる?」舞子は内心、この男に出来るのだろうかと訝りながら“命令”した。否、出来るはずだ。何せ彼は“魔法使い”なのだから。
「オッケー」案の定正吾は二つ返事で承った。「これだね?」何のためらいもなく、トレーの中から魚を取り上げまな板の上に置く。「ふうん……魚って、こんな風なんだ」彼は魚の体をそっと指でなぞった。「しなやかなスタイルだね……素敵だ……」
「――」舞子は思わず身を引いた。多分このやさ男は、いつもは“人間の女に対して”そのような所作でもってそのような科白を囁くのだろう。“情緒担当”の魔法使いにとっては、女も魚もみな一緒なのだ。
「これ、何?」その時正吾は、アジのエラブタの下にある柔らかい舌のようなエラを見つけ、つまんで引っ張った。
 それにつられて魚の死体は、かぱーと口を開けた。
「わああああーッ」正吾は飛び上がって悲鳴を挙げた。「口が、口がーッ!」
「ああ、エラ引っ張ると口開くのよ、面白いでしょ」舞子はアジを持ち上げ、その顔を正吾の方に向けて、エラを何回か引っ張り、魚の口をぱくぱくさせた「コンニチハ。ボク、アジクンデス」声を裏返して云う。それは舞子が幼少の頃、母親がふざけてよくやっていた遊びだった。指人形の生ものバージョンだ。
「はは、は」正吾の顔は蒼ざめて突っ張った。
「で、これをね、さばいて」舞子はアジをまな板の上に戻し、召使いに指示した。
「ん……」正吾は一瞬視線を泳がせた後、細い両腕を持ち上げて魚の上に手をかざした。それは小刻みに震えていた。

 

◇◆◇◆次号へ◆◇◆◇

 

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魔法野菜キャビッチ3・キャビッチと伝説の魔女 73

  • 2020.05.19 Tuesday
  • 09:06

JUGEMテーマ:小説/詩

 

「燃えてる」母がさけぶ。
 同時に、突然熱い風が私の顔にぶつかってきた。
「うわっ」箒にまたがって飛びながら、思わず目をぎゅっと閉じ顔をそむける。
 箒は私がそんなことになっても、木々にぶつからないようによけながら、大急ぎで前へ進んでくれる。
「ポピー止まって」母がつづけてさけぶ。
「わっ」私のツィックルはただちに止まり、私の体は箒にまたがったまま前につんのめりそうになる。
 顔を腕でまもりながら目を少しあけてみると、先の方で森の木々が炎で焼かれているさまが見えた。
 真っ赤な炎が、木々を支配するかのようにのさばり、木々の苦しみなんかおかまいなしのようすでむさぼりつくしている。
 菜園界のものとはかたちがちがうけれど、それでもさっき森の中でながめた地母神界の木々はりっぱで、たくさんの枝をつけ、ゆたかな葉や花や実をみのらせ、りりしくそびえていたのだ。
 それらがいま、容赦なく赤い炎に燃やされ、水をすべてうしなって枯れはて、焦げて粉のようにくずれ落ちてゆきつつある。
「ひどい」母がかすれた声で言う。
 私の中にもおなじ言葉しかうかばなった。
 ひどい。
 木々が、燃えながらふるえている。
 たすけてくれと、もがいているみたいだ。
 私は目をそらすことができなかった。
 どうすればいいの?
 どうにかしないと!

 

「ツィックル」祖母がさけんだ。

 

 はっとして祖母を見る。
「水を」祖母がつづけてさけぶ。
 水?
 ツィックルに?
「ツィッカマハドゥル?」私の横で、ユエホワが眉をよせながら言う。「けど、届くのか」
 そのとき、

 

 ばりばりばりばりっ

 

という、耳をつんざくほどの大きな音――なにかが裂けるような、あるいは雷がすぐ近くに落ちたような、おそるべき大音響がひびきわたった。
「あれは」ユエホワが遠くに目をうばわれながら言う。「なんだ」
 同じ方向を見て私は言葉をうしなった。
 それは、木々をのみこむ炎のさらに上、おおいかぶさるように伸びてきた、まわりの木々の枝たちだった。
 炎のまわっていないはなれた場所から、木々が枝を炎の上へとのばしてきたのだ。
 そしてその枝についているさまざまな大きさ、色、かたちの葉っぱたちから、雨のように水がふりそそぎはじめた。
「うわ」ユエホワが小さくうなる。
「雨……葉っぱが雨ふらせてるの?」私はぼうぜんとしながらきいた。
「そう、根から吸い上げた水をね」祖母が答える。「でも足りないわ。これではあの炎を消すことはできない」
 つまり、ツィッカマハドゥルによりツィックルがほかの木々へ、枝をのばし葉っぱから水を放出するよう命じたということだ。でも地面の土そのものが乾いているから、いくらがんばって木々が根から吸い上げても、炎を消すには足りないのだ。

 

「うわーひでえことすんなあ」

 

 そのとき頭上からギュンテの声が聞こえ、見上げると空はいつの間にか暗くくもっていた。
 その直後、ざあっ、と大きな音がした。
 ギュンテによりたちまちのうちに呼び寄せられた雲が、大量の雨を空からふらせたのだ。
「うわっ」
「つめたい」
「なんだ」人々は箒にまたがったまま、とつぜんふりはじめた大雨に身をすくませた。
 私たちは全員、あっというまにずぶぬれになった。
「あ、すまねえ」ギュンテが上からあやまる。「多少の雲じゃ足りねえと思って思い切りやったら多すぎたな」
「たく、なにやってんだよっ」ユエホワが私の横で文句をいう。「ポピーが怒ってるぞ。こんな神さま大きらいだって」
「え」私はびしょぬれになって顔にはりついた髪をかきあげながらおどろいた。「なにいってんの」
「えっ」ギュンテも空の上でおどろいていた。「まじか。ごめんなポピー。うひゃーやべえ、ごめんごめん」
「ううん、だいじょうぶだよ」私は大きな声で頭上にむかってさけんだ。
「炎が消えていくぞ」
「おおお」
「神よ」
「ありがとうございます」人びとが口々にさけぷ。
 はっとして燃えていた木々の方へ目をやると、たしかに森ごとのみこもうとしているかのように見えていた大火はみるみる小さくなってゆくところだった。
 私たちの上に雨がふってきたのはほんの少しのあいだだけだったので、ギュンテの力により雲がぜんぶまとめて木々の方へ移されたんだろう。
 私はほっとひと安心した。
「ポピー、怒ってないか?」ギュンテがまだ心配そうに声をかけてくる。
「あ、ぜんぜん怒ってないよ。ユエホワは大うそつきだから信じなくていいよ」私は急いでまた上を向き答えた。
「そっか、よかった」木々の梢の向こうで、小さな雲の上に乗ったギュンテが顔だけのぞかせてにっこり笑い「ユエホワ、あとでな」と言って真顔になった。
「う」ユエホワは肩をすくめ「いや、それよりツィックルはだいじょうぶかな」と話をそらした。
「そうだわ。行きましょう」祖母が先頭にたって箒を飛ばし、皆その後につづいた。

 

「なんてこと」祖母は箒にまたがったまま、それしか言えずにいた。
 祖母のツィックルは、真っ黒にこげ、炎が消えたとはいえまだたくさんの煙を上げてそこに立っていた。
 皆、なにも言えなかった。
 この木は、自分が燃えているにもかかわらず祖母の魔法にしたがい、他の木々へ命じて水をかけさせたのだ。
 自分にも水をかけるように伝えたんだろうか?
 いや。
 たぶんこの木は、自分よりも他の木々を助けるよう命じたのだろうと思う。
 なぜなら、祖母が箒から下りて近くに来たことを見とどけたあと、その木は――真っ黒にこげた偉大なツィックルは、音もなくこなごなにくだけ、風に飛ばされて姿をうしなってしまったからだ。
「ああ」祖母はふるえる手をのばしたが、もうその幹にふれることすらできなかった。
 とても長い間、私はなにも言わずたたずむ祖母の背中を見つめていた。
 祖母が泣いているのだと思っていた。
 言葉もなく、ただ涙を流しむせび泣いているのだと。
 そう、思っていた。
 けれど、違った。
 祖母はおもむろに、右手を高くさし上げた。
 その手のひらには、白いキャビッチがのせられていた。
「ピトゥイ」祖母はさけんだ。
 ツィックルの生えていた位置の向こうがわに、とつぜん何人か人の姿が現れた――かと思うと次の瞬間、その中の一人が祖母のキャビッチを鼻先にくらってふっ飛んだ。
「うわっ」私もユエホワもほかの人々も、目をまん丸く見ひらいてさけんだ。
 母だけがさけぶこともなく、ただ祖母に続いてキャビッチを投げた。
 けれどそれは惜しくもよけられてしまった。
「投げろ」他のだれかがさけぶと同時に、皆はいっせいにキャビッチを投げつけはじめた。
 何個かはよけられ、何個かは当たり、
「ピトゥイ」
「ディガム」
「マハドゥーラファドゥー」
「ゼアム」
「うわっ」
「くそっ」
 たくさんの呪文やさけび声が飛びかった。
「ポピー、ピトゥイを」祖母がキャビッチを投げながら私にさけぶ。「あの薬を使って」
 私ははっとして、いまはじめて思い出したものを大急ぎでリュックから取り出した。
 ヨンベのおじさんにもらった、小さなガラス瓶。
 緑色と金色を混ぜたような、目をひきつけるほどに美しい色。
 ふたをあけ、キャビッチにぱぱっとふりかけて上にさし上げ「ピトゥイ」とさけぶ。
 なんということだろう。
 大地の上に三十人ぐらいのアポピス類の姿がとつぜんあらわれた。
「うわっ」
「うわっ」
「うわっ」
 私だけでなくユエホワも、他の人びとも、目をまるくしてさけんだ。
「ひるまないで」母がすぐにつづける。「投げて」みずからキャビッチを投げながらさけぶ。

 

 じゅうっ

 

 熱いフライパンの上で水が蒸発するときのような音がした。
「えっ」母がきょとんとする。
「あっ」
「なんだ」
「消える」他の人びとも、声にする。
 私もキャビッチを投げた。
 けれどそれは何にも当たることなく、空中でじゅうっ、と消え、白い煙が残った。
 一瞬のうちに、焼け焦げて灰になったのだ。

 

葵 むらさきの著書

 

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何故かストーカー動画(略してス動画ー)にはまる

  • 2020.05.18 Monday
  • 17:05

 そうなのですよ。

 いわゆるユーチューバーさんたちが自宅に突撃(凸撃?)してくるファンに悪戦苦闘していらっしゃる様を撮影なさったもの。

 を、なぜかついあれこれ見てしまいました。

 ストーカーコレクターかよ。

 

 ユーチューバーさんそれぞれの性向により対応の仕方とか物の言い方とか違いますよね。当然のことながら。

 恐れおののき度とかも。

 でも何より感心するのは、皆さんよくその迷惑訪問ないし不法侵入者を正面きって相手してあげてるよね。

 

 無視こかずに。

 

 いや、思うに絶対、仮令(たとい)どんなに執拗につきまとわれ迫られても一切取り上げることも公表することもしないユーチューバーさんも、少なからずいらっしゃるとは思うのよね。

 もし自分がユーチューバーの立場(たーちゅーばー)だったとしても、絶対そうするとおもうからにゃ。

 

 無視。

 

 インターホンは切るし、電話だのSNSだのは遮断するし、話しかけられても見向きもしないし触られたら振り払うし。

 まず絶対物言わない。直接には。だってバカがばれるからきりがないからね。

 動画で観ている限り、そういう方たちとは対話成立不可のようですから。無駄なエネルギー消費するだけっすよ。

 

 で思うに、そういう迷惑行為を自覚なく実行遂行してしまう人というのは、認知機能に問題ないとすれば、発達心理学でいうところの幼児期の欲求が満たされずに大きくなってしまったのではないのかなと。

 小さい頃に満たされるべき『抱っこ』が、残念ながら不足しているのではないか。

『抱っこ』が満たされず安心を得られなければ、そりゃ社会通念だら社会的想像力だらは、育たないでしょうもの。

 

 平たくいやあ、親のしつけがなってない

 

という結論ですな。平たくというか、雑にいうと。

 

 では問題解決のためにはどうすれば良いか。

 いまさら幼児期に戻して抱っこするわけにもいかないしね。

 でも彼ら彼女らには今でも、無償の愛情を注いでくれる相手というのが必要なのですよ。

 現に必要としている姿がありありと見えているしね。

 

 そしてそれを求める対象として、たまたま目の前に現れた優しげなユーチューバーさんをお選びになったのでしょう。

 自分の心を満たす為に必要な、言葉は悪いが道具として。

 相手の心など推し量れるわけがない。

 そもそも相手に心があることすら、まだあの子らは認識できていないのだから。

 

 社会を認識できるほど、自我が成長していないのだ。

 

 中にはそのまま半世紀以上生きて来たっぽいおっさ人もいたけど、未成年の子らはね、保護者に連絡するのが妥当だとは思うよ。

 仮令ろくでもない保護者であるとしても。

 まずは保護者の教育が必要なのかも知れないが。

 

 また「日本人は」てな話になってしまい恐縮なのだが、どうも日本人の子育てにおいてははじめから「社会性」を身につけることに重点が置かれているように思えてならない。

 人に迷惑をかけない、人に叱られるようなことはしない、人にほめてもらえるようなことをする。

 善ではなく、正をせよ。あるいは、正が善である。

 誰基準で?

 主体は誰?

 

 誰のために、子どもは大きくならなければならないの?

 

 まず社会によっていっぱい守られ抱っこされた子こそが、社会に貢献できる人になるのだ。

 

 そんなところに想いを馳せながら、ストーカーに怯えるユーチューバーさんに同情し

 

「かわいそうに。お母さんに電話すればいいのに」

 

とか言いつつ動画を観てるんだよね。

 

 最後になりましたが、現在『ファンタジー大賞』向けの長編小説を書いています。400字換算300枚〜ということですが、現在2829文字書けました! ぐひー! あとじゅう、じゅういちまんななせんひゃくじゅういちもじきゃ! ぬゅー!

 

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日本人にとってゲームとは何か

  • 2020.05.16 Saturday
  • 18:20

 ハイってなわけでひつじぶりにヤギぶりに日記というかエッセイというか、ふとした思いつき雑感記事を書き散らしたいと思いまーす小説ブロガーの葵むらさきでっすぅよろしくう!!

 

 へへへ。

 ちょっとゆ、ゆう、ちゅうーばあーばりに、あいさつをしてみました。ふふふ。へへへ。よーつべ中毒過ぎ

 まあそれはともかくとして。

 

 今日、やっと私は気づいた次第でございます。

 ゲーム。

 それは日本人にとっては、娯楽、文化、というよりも、

 

 宗教。

 

なのではないのかと。

 なんでさう感じたのか。

 それは。

 

 皆で同じ方向を向いている

 

から。

 …………

 はい、終わり。いや、待て待て。

 

 まあ方向性というか、志向性というかですね。

 知らない者同士でも同じ目標を目指しイロイロと協議協力して共感を得ることができる。

 

 一人じゃないって、思える。

 

 まあ何らか解釈の違いから意思疎通がうまくいかず議論したり訣別したりもあることでせう。

 あとまあ、極端な発想や思考回路による危険な行為も、なくはない点とか。

 

 で、宗教なんだとしたら教典は何なのか。

 私なんかはドラクエじゃないん? と思いますけどね。あの絵、あの曲に出会うと今でも心が幸せになりワクワクするしね。

 まあそこは人によって違うかもだけど、ルーツはドラクエだよね。

 いや。

 どう森(今はあつ森ですか?)も、あの絵、あの曲に触れると今でも切なくなるしなあ……

 いや。

 ぐるぐる温泉、はもう、触れることさえないが、もしまたあの絵あの曲に出会ったら泣くかな……

 

 でもそうすると、宗教とはいえ神様は一人じゃないってことになりますよねえ。

 まあ本来元来日本人は多神教を奉じてきましたから、そこはいいか。よしにしますかねうん、て何の会議?

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 というわけで、執筆関連進捗報告でございます。

 現WEB連載中の『魔法野菜キャビッチ3・キャビッチと伝説の魔女』、現在73話目を3分の2ぐらい書き進めております。あと1000文字くらいで上げます。5月26日(火)公開予定。

 やっと伝説の魔女に火がつき、怒りのキャビッチぶん投げ騒動に突入するの巻になります。

 孫の主人公はまだオロオロしているばかりの情けない小娘でしかありませんが(非道い言い様じゃありませんかえ)、やれ! 闘え! はたらけ! と鞭打ってまいる所存でございます。虐待かぎょ!!

 

 ていうかね。

 前にも書いたけれど、このシリーズ第三話め、ここまで長く引っぱることになるとは、正直思ってなかったですわ。

 もっと単純シンプルな話になるとばかり思っておりました。のに。

 でもまあ、山は超えたかなと。後はふもと、つまりラストに向かってゆっくり下りていくばかりでございます。

 もう少しのご辛抱お付き合いを。

 

 それから毎週土曜日発行中の『葵マガジン』。

 こちらは『聡明鬼』の連載が完結しまして、次週5月23日より『多重人格の急須3 〜肉じゃがは時空を越えて〜』が連載開始となります。以下説明。つか宣伝。

 

葵マガジン=

毎週土曜日発行のオリジナルSF・ファンタジー小説マガジン。
【現在連載中】5月23日(火)連載開始!
『多重人格の急須 2 〜肉じゃがは時空を越えて〜』
四人の魔法使いを収容した“魔法のランプ”ならぬ“魔法の急須”の持ち主・舞子が、新たなる厄介事に巻き込まれてゆく。
「魔法使いのくせに生身の人間に頼らないでよ」
現代SFチックファンタジー。全40話。

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葵マガジン 2020年05月16日号

  • 2020.05.16 Saturday
  • 15:18

JUGEMテーマ:小説/詩

 

◇◆◇◆聡明鬼◆◇◆◇


第100話 獄図 (了)

 

 荒野を見下ろしながら、飛ぶ。
 ここは、狐の精霊と闘いそれを封じた場所だ。

 

 陰陽師か
 そうだ

 

 風の中に、言霊がかそけく漂う。

 

 お前の名など呼ばん
 なぜだ
 名を呼ぶと、つながるからな

 

 さらに飛ぶ。
 二股に分かれた桃の木が見える。
 ここは、兎の精霊と闘いそれを封じた場所だ。

 

 なるほど、そういう技が使えるのか
 お前、どうして
 こう見えても俺には霊気が読めるしな

 

 川に出る。
 ここは、無常鬼と闘いそれを封じた場所だ。

 

 俺も天心地胆の向こうを見てみたかった
 お前自身が鬼魂になるまで待ってろ

 

 山の上を飛ぶ。
 ここは、初めて模糊鬼と出逢い闘った場所だ。

 

 面白いだろ……引き千切ってやった
 それじゃ、それだけ痛めつけられるのも無理はないな

 

 海に出る。
 洞窟の入り口が見えた。
 ここは、初めて雷獣に出逢った場所だ。

 

 そこまで人間を怖れるとはな
 お前は怖くはないのか

 

 町中に出る。
 ここは、多くの鬼どもと、また降妖師と闘った場所だ。
 しばらく行くと、小さな屋敷が見えた。
 ここは――
 小綺麗に慎ましやかに整えられた、庭。池。小藪。
 小ぢんまりとした、縁側。
 日に当たりながら茶を飲み、月を眺めながら酒を飲んだ。

 

 月と太陽の言い伝えを知っているか
 知らん

 

 今宵の、下弦の月に
 ああ……下弦の月に

 

 傷を癒し、ぐっすりと眠り、あれこれと談義を交わした。

 

 お前が処方してくれた薬草が効いたんだろうな
 効きすぎだ

 

 ――こんなに、小さな屋敷だったんだな。
 空中から見下ろしながら、そう思う。
 そしてまた、飛ぶ。
 龍馬となってしまったため、人間たちに交じって町の建物を片付けたり怪我人の手当てをしたりする事ができない。
 それが今のリューシュンにとっては、いたたまれないほど無念なことであった。
 なので気を紛らわすため、何処へ行くあてもなく、飛んでいる。
 砂漠に出る。
 ここはリシとトハキに初めて出会った場所だ。
 ここに来た時はもう“訣別”をした後だった。

 

 そういう、ことだ
 そういう、ことって
 俺が陰鎮鷲椶惺圓、テンニから閻羅王を守り斃させぬ

 

 気づくと、もう陽は暮れ星が瞬いていた。
 ずっと飛び続けていたことに、今初めて気づいたような気がした。
 ふ、と苦笑する。
 下に見えた海辺の砂浜に、降り立つ。
 静かな波音が夜風と共に心地よい。
 馬の脚を折り、温かい砂の上に伏せる。
 −−最後に話したのは、何だったっけか。
 星明りにぼんやりと揺らめく波を見ながら、リューシュンは想った。
 最後に話した、時。
 それは、あいつが己自身に呪いをかけた、あの新月の夜だった。
 あの時、儀式を執り行う前に交わした会話、それが二人の最後の会話だったのだ。
 −−確か、女を抱いた抱かない、そんな話をしたんだったな。
 リューシュンは思い出し、龍の口をにやり、と笑いに広げた。
 −−あいつ、本当に人間の女を抱いたのかな。式神じゃなく。
 くっくっ、と、馬の肩を揺する。
 −−何も答えなかったところを見ると。
 それから、白き龍の首を持ち上げ空を見た。
 あの時と同じように今宵は月がなく、星が全天をあます所なく覆い尽くしている。
 −−お前の声はもう、聞けないんだな。
 それを見つめながら、想う。
 −−もっと……もっといっぱい、話せばよかったな。
 星々は答えず、誰の声も返っては来ない。
 リューシュンの問いかけを聞く者は、唯独りリューシュンだけであった。

 

「何を想っているのですか」

 

 穏やかな声が、傍からそう語りかけた。
「え」リューシュンは驚いて下を見、そして「あっ」と声を挙げた。
 玉帝が、砂の上に佇んでいたのだ。
「――兄、さん」リューシュンは小さく呼び、龍の首を下げて玉帝の傍に顎を置いた。
「龍駿」玉帝が呼び返す。「よくやってくれました」
「俺は、何の役にも立っちゃいない」リューシュンは眼を閉じた。
「お前はよくやってくれました」玉帝は繰り返す。「私の望みをかなえようと力を尽くしてくれました」その清らかな手が、白龍馬の顔に触れる。
 それだけで、まるで上天に行ったのかと思うほどの安らぎと幸福感が全身を包んだ。
「――俺は」リューシュンは薄く眼を開けた。「若く幼く浅はかで、世間知らずの馬鹿だった」
 今だったら、すべてを話せる。
 何もかも。
 想いの、すべてを。
 自分のありのまま、さらけ出して――
 玉帝の手は、温かい。
「俺は、前のことをなんにも覚えていない」リューシュンは砂浜に龍の鼻を擦り付けるようにして俯いた。「あんたに、随分迷惑をかけてたんだろ」
 玉帝は何も答えない。
「なにも覚えてはいないが、今ならなんとなくわかる気がするんだ……俺はその時、ある言葉を言うことができなかったんじゃないかな」
「言葉?」玉帝が訊く。
「ああ。その言葉、その魂−−言霊を、俺はその時知らなかった。そんな風に思う」
「どんな言霊ですか?」玉帝がまた訊く。
 リューシュンは顔を挙げ玉帝を−−兄を見た。「ありがとう、と」
 玉帝は碧の眸でリューシュンを真っ直ぐに見た。
「俺は、その時もしかしたらあんたに『すまなかった』『許してくれ』と、そんな言葉だけを投げつけてたんじゃないかな。だけど本当に俺が言うべきだったのはそうじゃなく……『ありがとう』だったんだ」
「−−」
「今なら、それがわかる。その言霊の、本当の意味が」リューシュンはもう一度俯き、砂に鼻を擦りつけた。

 

「ありがとう」声がした。

 

「え?」リューシュンは顔を上げた。
 玉帝が微笑んでいる。
「そのことに気づいてくれたお前に、私は感謝と、誇りを感じます」兄は弟に言った。
「−−」
「私はお前の過去の記憶をすべて消し去りました。けれど今ひとつだけ、お前の望みを叶えましょう」
「望み……?」リューシュンは茫然と繰り返した。
「はい」玉帝は頷く。「何かひとつ、お前の望みを教えてください」
 リューシュンはしばらく、兄の眸を同じ色の眸で見つめていた。
 その眸は微笑んでいる。
 それに似た微笑を、リューシュンは知っていた。
 かつてよく、近くで見ていた。
 そんな風に微笑む眸に向かい、話しかけていた。
 不平を言い、冗談を言い、憎まれ口を言い、笑い、怒り、相談し、たくさんのことを話した。
 その名を、もういちど口にしても、良いのか。
「−−」口を開く。
 龍の口が、震える。
 白龍馬の碧色の眸から、涙が零れ落ちる。
 そして元聡明鬼は、微かな声でその名を呼んだ。

 

          ◇◆◇

 

 息が苦しい。
 息をするのが辛い。
 ここでは息をする事自体が懲罰なのだ。
 震える足を前に踏み出せば、脛を切られる。
 枝のごとくに痩せ細った骨と皮ばかりの手で目の前をまさぐれば、腕を切られる。
 俯けば背を切られ、仰のけば頸を切られる。
 その度大量の血が吹き出で、もはや枯れて声にもならぬ悲鳴を挙げるが、目を閉じてまた開ければやはり同じくそこにいる。
 血潮で目が見えなくなっても、それを拭うことすらできない。
 目の見えぬままさ迷い、躓き、転べば罵倒を浴びせられ倒れた全身に棘の鞭が執拗に叩きつけられる。
 いつからこうなのか、いつまでこうなのか、そんなことを想ったことがあったかも知れない。
 だがもう今は、何もかもが霞んでいる。
 血と、炎と、刃と鞭、ただそれだけしかここには存在しないのだ。
 自分の内側も外側も、熱と痛みと苦しみとで出来ていた。
 もうひとつ、何かが隠れて存在しているような気も、する。
 だがそれが何なのかは、わからない。
 それを思い出そうとすることも、許されない。
 考えようとする頭は真二つに叩き割られ、血飛沫を上げ、すべてを毟り取られていくのだ。
 だからその、影に隠れている何かの存在は、すぐに見えなくなる。
 だがまた、何かの拍子に、そこに何かが――何処にあるのか――そっと隠れて身を潜めている、見つからないように用心している、それでも見つけて欲しがっている、そんな気がふと、するのだ。
 そしてまた脳天から鉄の棍棒が叩き落される。

 

    と、くるしみ

 

 隠れている何かがふと見えそうになる時、誰かの声が遥か遠くでそう言っている気がする。
 次の瞬間には顔面に沸いた油をぶっかけられる。
 自分は今、死んだ。
 何度となく、そう思う。
 そう、確信する。
 けれど、少し経てばまた意識が戻る。
 相変わらず足に酷い火傷を負いながら、果てしなく歩き続けているのだ。
 熱を吸い、血を吐く。
 体の中にもはや水はないにも関わらず、血だけはずっと流れ続ける。
 永遠に。
 永久に。
 永劫に――

 

 リンケイ

 

 声が聞こえた。
 ふと、足が止まる。
 すぐに刃が斬りに来る。
 足を失い、転ぶ。
 その際見上げた地獄の空の上に、何か小さなものがきらめいた気がした。
 だがそう思ったのも束の間、その眼を抉り取られる。
 闇の中、震えながら立ち上がろうとする。
 背中に焼けた金棒が押し付けられる。
 死――

 

「リューシュン」

 

 気を失う寸前、唇が勝手に動き、そう答えていた。
 きっと、何かが違う。
 これまでとは、何かがきっと。
 熱き地に倒れながら、元陰陽師は微笑んだ。

 

◇◆◇◆了◆◇◆◇

 

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魔法野菜キャビッチ3・キャビッチと伝説の魔女 72

  • 2020.05.13 Wednesday
  • 21:21

JUGEMテーマ:小説/詩

 

 がしゃ――ん

 

 その大きな音、ガラスがわれるような音は、聖堂の天井のほうからきこえた。
 はっとして全員がふりあおぐと、屋根にはめこまれていた窓ガラスになぐられたような丸い穴があけられていて、きらきらと破片がふり落ちてきていた。
「危ない」父が私をかばうように抱きすくめる。

 

 どし――ん

 

 つぎに、こんどは壁のほうから大きな音がして、ぐらぐらと床がゆれ動いた。

 

 ばり――ん

 

 さらに、壁の窓のガラスも大きな音とともに割れ落ちた。
 人びとは――いなくなった。
 逃げだした、ということなのだけれど、椅子にすわっていたアポピス類は全員、人型から一瞬にしてヘビ型へと姿を変え、いっせいに椅子の上から床をはって出ていったのだ。
 そのようすを私は父の腕の下からのぞきこんでいたが、彼らの床をはうスピードは流れ星のように速く、思わず「うわっ」と声をあげたほどだった。
「だいじょうぶだよ」父は、私が大きな音や振動におびえていると思ったのだろう、にっこりと微笑んだ。
「う、うん」私はとりあえずうなずいた。
 やつら――だれに聞かずともわかる、ユエホワをさらい、私の家や祖母の家にまでやってきた、アポピス類だ――は、いつものように姿をあらわさなかった。

 

「光使いたち」

 

 とつぜん、小さな声が聞こえた。
 ハピアンフェルだ。
 私たちは、祖母の方を見た。
 小さな粉送り妖精は、祖母の頭の上に飛び上がり、ふわふわとまたたいていた。
「光使いたち、もうやめて」またたきながらハピアンフェルは、小さな声でさけんだ。「悪い人たちのいうことをきいてはだめよ」
 だれも、ちいさな妖精の声に答える者はいない。
 本当に、その声は届いているのか?

 

 どし――ん
 がしゃ――ん
 ばり――ん

 

 音はますます大きく鳴りひびきつづけた。
 菜園界の大工たちが精魂こめてつくりあげた地母神界初の聖堂は、みるみるむごい姿にかわりはてていった。
「外へ」母がさけび、私たちは聖堂の出口へと走った。
 だれの姿も見えないけれど、そこには“やつら”が立ちふさがっているはずだ。
 だけど、父も母も祖母も、なにもためらわずそこへ向かって走ったのだ。
 私は父と母に守られるような位置で、いっしょに走った。
 なぜかユエホワも私のとなりで走っていた。

 

「ディガ」
 ばしっ

 

 入り口の方からさけび声と、それをするどくさえぎる音――キャビッチ――がした。

 

「ゼア」
 ばしっ

 

 つづけてもう一度。
「うう」私の横でユエホワがうなる。
 見ると、緑髪鬼魔は目をまんまるくしてなにかおびえているような表情をしながら走っていた。
 そう、私にもわかった。
 さけんだのは――というかさけぼうとしたのは“やつら”で、その声の聞こえるほうにすかさずキャビッチを投げたのは、祖母と、母だった。
 おかげでだれも、やつらの魔力にかかって動きを封じられたり魔法を帳消しにされたりすることはなかったのだ。
「マハドゥーラコン」父がさけぶ。
「ピトゥイ」祖母がさけぶ。
「ティグドゥゼイ」父がつづきをさけぶ。
「ピトゥイ」母がさけぶ。
「クィッキィシュル」父がつづきをさけぶ。
 そのため、アポピス類の体にはりついてその姿を見えなくさせていた光使い妖精はすべてとりはらわれ、さらにアポピス類たちの自由な動きは封じられた。
 私たちは聖堂の外に出た。
 アポピス類たちは聖堂入り口から数十メートルはなれた台地の上にあおむけに寝転んでいた。
 祖母と母のキャビッチでふっとばされたのだ。
「七……人」ユエホワが、ささやくように言う。
「うん」私はうなずいた。
 あおむけに転がっているのは、たしかに七人の、人型のアポピス類たちだった。
「投げたの、二個だよな」ユエホワがまた、ささやくように言う。
「……たぶん」私は少しだけ考えてからうなずいた。
「どうやって……?」
「投げたあとに分散魔法を効かせたのよ」ユエホワのささやくような問いかけに、母が答えた。「何人いるかわからなかったから」
「ええっ」これには私もおどろいた。「同時がけ?」
「の、一種ね。それより」母は眉をひそめ、森の方を指さした。「畑の方はどうなっているのかしら」
「だいじょうぶか」
「何があった」
 菜園界の人たちがかけつけてきた。
「こいつらは」
「何だ」
「こいつらが聖堂を?」
「ひどいありさまだ」
「なんてことを」
 つぎつぎに、倒れているアポピス類たちをとりかこみ、破壊された建てものを見やり、なげく。
「裁きの陣へこの者たちを連れて行くんだ」父が皆にいう。「そしてアポピス類たちを呼びもどして、裁きのしかたを教えるんだ」
「ああ」
「そうしよう」
「急いで」母も指示する。「うちの人のマハドゥはそんなに長く効いていられないから」
「う」父がうめく。「うん、急いで」でもすぐに気を取りなおし、みずから一人のアポピス類の腕に手をかける「運ぼう」
「ほらな」ユエホワがまたささやく。「お前の父ちゃんがいちばんすごいよ」
 私は、ほんの少しだけうなずいた。
 父のほか、大工とキャビッチスロワーの一部の人たちが聖堂に残り、あとの人たちは私たちといっしょに畑の方へ向かった。
 畑は――
「ひどい」母が声をふるわせた。
「なんてことだ」
「ああ……」ほかの大人たちも皆、ぼう然と立ちすくんだ。
 そう。
 あんなにたくさんならんでいたキャビッチはめちゃくちゃにひきもがれ、投げ捨てられ、神の聖なる水を吸ってうるおった土はほじくり返され大穴をあけられ、そして水分までも失われてかさかさの白っぽい粉のようになってしまっていた。
 そこらじゅうにころがっているキャビッチたちも、あんなにカラフルでみずみずしかったのに、すべて色をうしない、白く、あるいは茶色くかさかさに枯れかけている。
「あらまあ」祖母はあまりショックを受けていなかったが「また妖精たちにやらせたのね」と冷静に考えを述べた。
「許せないわ」母がさけぶ。「せっかく皆で立派な畑をつくったというのに、こんなふうにめちゃくちゃにするなんて」
「私たちがここへ来たことじたい、向こうも許せないのでしょうね」祖母がまた冷静に述べる。「まあ想定の内といえばそうだけれど」
「でも」母は怒りがおさまらないようすだった。「話し合うことすらせずに、いきなりこんな」
「奇襲攻撃じゃないか」別の大人の人が怒りの声で言う。
「そうだ」
「卑怯なことを」
「彼らにしてみれば、私たちが畑をつくったことこそが奇襲になるのよ」祖母がまた冷静に述べる。
 皆は、言葉をつぐことができずにいた。
 私たちは、フュロワ神の指示にしたがってここへやってきた。
 やつらは、神のご意志すらも“奇襲”とみなすのだろうか?
 それはつまり、神さまを“敵”だとみなす、ということになるのではないのか?
 私は腕に鳥肌が立つような思いにおそわれた。
 鬼魔は、神に逆らって、神と闘うつもりなのか?
「アポピス類なら」ユエホワがつぶやく。「ありえなくもない、かな……」
「だとしたら」母がしずかな声で言う。「私たちは、神さまのために力を尽くさなければならないわ……キャビッチスロワーとして」その顔はきびしくひきしまり、その目は燃えているかのように見えた。
 私は背中にまで鳥肌が立つような思いにおそわれた。
「ガーベランティ」ふいに、祖母の肩かけバッグの中からハピアンフェルが声をかけた。「これは、光使いと水流しと粉送りがやったことだわ。森の方はだいじょうぶかしら」
「まあ、そうね」祖母はおどろいたようにハピアンフェルを見おろした。「行ってみましょう」そう言うと、箒にまたがって空へ飛び上がった。
 私たちもつづく。
「火起こしたちがまだ見えないのよ」ハピアンフェルは消え入りそうな声で告げる。「まさかとは思うのだけど」
「まあ」祖母はまたおどろいたように言った。「急ぎましょう」
けれどすぐに、ハピアンフェルの心配していることが本当に起きているらしいのがわかった。
 森の奥から、こげくさい、植物の燃えているにおいがしてきたのだ。

 

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葵マガジン 2020年05月09日号

  • 2020.05.09 Saturday
  • 20:26

JUGEMテーマ:小説/詩

 

◇◆◇◆聡明鬼◆◇◆◇
 

第99話 その名(全100話)

 

「え」またリョーマは驚いて顔を挙げた。
「あれは良い言葉だったと、今では思うからな」

 

 スルグーンに仕えたらどうだ

 

「――」
 そう言った自分の声が、聞える。
「だから、今は言わないがもう少し時が経って、まだお前が今のままの状態でいるなら、その時に言ってやる」

 

 ケイキョに仕えたらどうだ

 

「――」
 そう言っているフラの声が、聞える。
「そしてお前を不愉快にさせてやる」
 フラはつけ加えて、ふん、と鼻を鳴らし笑った。
「――何だよ」リョーマはごく小さく、不平を言った。「慰めてんのか喧嘩売ってんのか、わかんねえよ」
「やるか」フラはぐいと龍の顎を挙げた。「久しぶりに、勝負だ」
「やんねえよ」リョーマは龍の眉をしかめてくるりと背を向けた。「腹減ったから、飯食ってくる」
 そしてリョーマは犬に姿を変え、屋敷の方へと走り去った。
「ふん」フラはその背に向かって呟いた。「龍馬が、腹なんか減るかよ」
「え、そうなのか」リューシュンが龍の眼を丸くして訊いた。「龍馬は腹が減らないのか」
「そりゃそうだよ」フラが呆れたように振り返り答える。「精霊だもんな」
「そうかあ」リューシュンは龍の首を下に向け自分を見下ろした。「腹がぺこぺこになってから食う飯ってのは、随分と旨いんだがなあ……もうそういうのは味わえないのか」
 はあ、とフラは短くため息をついた。
「俺も、飯を食って来る」
 そうして黒犬の姿に化し、走り去る。
「――」ケイキョは犬を見送り、白龍馬を振り返り、また犬の方を見、「あ、あっしも……行きやす」と言い残して駆け去った。
 後には、リューシュンとスルグーンが残った。
「リューシュン」スルグーンが呼ぶ。
「うん」
「お前、なんで名乗らないんだチイ」小さな雷獣は、巨大な龍馬を見上げて問うた。「あの三足に」
「――ああ」リューシュンは改めて、三足が向かった邸の方に眼を向けた。「忘れてたよ」
「忘れてたキイ?」スルグーンが素っ頓狂な声で訊き返す。
「うん」白龍馬は龍の首で頷いた。「悪いがスルグーン、お前から皆に教えてやっといてくれよ」
「――」
「俺の名を」
「――」スルグーンはしばらく呆れたようにリューシュンを見ていたが、やがてはあ、とため息をつき、そのまま背を向けて邸の方へ飛び去った。

 

          ◇◆◇

 

「聡明鬼さんは……」言い出したのは、鼬だった。「なんとも、ないんでやすか、ねえ」
「――」他の三足は、すぐに返事をしなかった。
 恐らく皆、ケイキョと同じことを思っていたからだろう。
「なんともない、てなこたあないと思いやすが……あの様子を見てると、どうも」
「キオウ様がテンニにやられた時には、あれほど打ちひしがれていたのにな」フラが言う。
「うん」リョーマも頷く。「あの時の方が、哀しそうだった……なのに今は」
「なんていうかチイ、暢気な感じだキイ」スルグーンが嘴をすぼめるようにして言う。「あんなもんなのかチイ」
「哀しく、ないんでやすかねえ」ケイキョが言い「いやまさか、そんなはずは」
「わかんねえぞ」フラが続ける。「あんまり鬼どもと闘い過ぎて、感覚が麻痺しちまったんじゃないのか」
「そうかもな」リョーマが仔犬の前足に顎を乗せた格好で言う。「あまりたくさんの人間が殺されたから、もうリンケイさまが殺されたことなんか、何とも思わなくなっちまったんだろう」
「まさか」ケイキョが声をなくした。
「元の龍馬の姿に戻ったから、鬼だった時とは感じ方や考え方も変わったのかもなキイ」スルグーンが呟くように言う。
「そ、そんなことがあるんでやすか?」ケイキョが驚いて問う。「スルグーンさんも、感じ方や考え方が変わったんでやすかい」
「俺は元からこの姿のままだチイ」スルグーンが嘴をますますすぼめて言う。「打鬼棒にも打たれてないキイ」
「そ、そうでやしたね」
「どっちにしても」リョーマがはあ、とため息をつく。「がっかりしたな……あんなにリンケイさまに助けてもらってたのに」
「――」三足は、答える言葉を返せなかった。
 はあ、とケイキョがため息をついた。

 

          ◇◆◇

 

「行ってしまったなあ」茫然と、コントクが呟いた。
「――聡明鬼か」ジライも、茫然と答える。「そうだな……行ってしまったな」
「我々に、何も言わずに行ってしまった」
「ああ……我々も、何も言えずに行かせてしまった」
「ああ」
 鬼の兄弟は今、陰鎮鷲椶北疑瑤謀召る鬼の骸や血に染まる地面や森羅殿の外壁などをきれいに洗う仕事を、他の鬼差や小鬼たちと一緒になって行っていた。
 牛頭馬頭らも今は三叉を掃除の道具に持ち替え、せっせと陰鎮鷲椶鮓議未蠅了僂北瓩修Δ抜萃イ辰討い襦
「また、ここに来ることがあるだろうか」コントクは曲げていた腰を伸ばし、とんとんと鬼の手で叩きながら言った。「あの姿で」
「どうだろうなあ」ジライも身を起こし、肩を自分の鬼の手で揉みながら首を傾げる。「けど、ここから出て行くことができたんなら、また陰陽界を通ってここに来ることもできるんじゃないのかな」
「うむ」コントクは頷く。「聡明鬼にはまた、会えるだろう……だが」
「……うん」
「陰陽師殿には」
「リンケイ」ジライがその名を口にする。
「え」兄は眼を上げる。
「女鬼が、確かそう呼んでいた……陰陽師殿の名だろう」
「そうか」コントクは頷く。
「そして」弟は続ける。「リューシュン」
「リューシュン」
「リンケイ殿もまた、聡明鬼のことをそう呼んでいた」
「そうか」コントクは再び頷く。
 陰鎮鷲椶元通りの姿に戻るには、まだまだ時間がかかりそうだった。
 鬼の兄弟は揃ってはあ、とため息をついた。
 そしてまた腰をかがめ、大地を洗う仕事に戻った。

 

          ◇◆◇

 

 トハキが、黒龍馬の首を持ち上げた。
「どうした」リシが、瓦礫を拾いながら顔を上げて問う。
 だがすぐにわかった。
 見上げた夜空に、その姿が今はっきりと捉えられたからだ。
「あれ、は――」身を起こし、眼を見開く。
 真っ白な、龍馬。
 煌く星々の中にあって尚、際立って美しい姿が、飛んでいる。
 そしてそれはみるみる近づき、ついにリシの立つ大地の上へと滑るように降り立ったのだ。
「ナーガ様」
 そう呼んだのは、トハキだった。
 リシが驚いて振り向くと、従者の黒龍馬は首を垂れ地に伏せ、今しがた降りて来た新参の龍馬に尊崇の意を示していた。
「ナーガ……?」
 その神の名は、マトウより聞いた事がある。
 上天にて玉帝に寵愛され、その後怒りを買い上天から堕とされたというものだ。
 それが今、この目の前にいる白い龍馬だというのか――?
「リシ」白龍馬は、呼んだ。
「――」
 リシは大きく眼を見開いた。
 その声に、聞き覚えがあった。
「――お前……か」
 声を震わせ、問う。
「ああ。俺だ」龍馬は答える。
 そしてリシは、その龍馬が碧の色の眸を持っていることに、心のすべてを奪われていた。
 そこに、碧の眸をにっこりと細め笑いかけてくる鬼の貌が、重なって見えるのだった。
「――帰って……来たんだな」
「ああ。帰って来た」頷く。
「でもどうして、そんな……龍馬の、姿に」
「鬼の俺は」龍馬は少し俯いて眼を閉じた。「打鬼棒で、打たれた」
「な」リシは愕然とした。「なん、だって」
「それで俺は、この姿になった」白龍馬は首を巡らせ、己の馬の体を尾の先まで見渡した。「たぶんこれが、俺の元々の姿なんだ」
「――」リシは言葉を継ぐことも忘れ、白龍馬の体を見上げた。
「俺はこの姿で、上天に棲んでいたんだ」龍馬はそう言い、もう一度にっこりと笑った――そのように、リシの心には伝わった。
「そう……か」
 マトウの身につけていた碧玉と同じ色の、眸。
 そういうことだったのだ。
 すべてを理解したリシは、ただ大きく頷いた。
「鬼の姿の俺は、幻だったんだ」続けてそう言う元聡明鬼は、それでも少し寂しげな表情を見せていた。
「そんなことはない」リシは首を振って言い、自分の頬を手で抑えた。「お前の手の温もりは、今でも――これからもずっと、私が知っている」
「――」白龍馬は驚いたようにリシを見つめた。「俺の」
 リシは頷き、それから両腕を高く上げ、龍馬に向かって拡げた。「――聡明鬼」
「リューシュンだ」白龍馬は言いながら、リシの腕の中に龍の顔を近づけた。「俺の名は、リューシュン」
「リューシュン」リシは呼び、龍の鼻先に腕を回した。
「怪我するぞ」リューシュンは言った。
「大丈夫だ」リシは笑った。「龍馬の愛で方は、知っている」そうして白龍馬の鬚を、愛しそうに手でゆっくりと撫でる。
 リューシュンは気持ち良さそうに眼を閉じ、リシのするがままに任せた。
「お帰り」リシは囁いた。「リューシュン」
 トハキは少し退ったところで、主人と龍神の様子を見ていた。
 そしてゆっくりと夜空に顔を挙げ、ふう、と密やかに吐息を洩らした。
 ――良かった。
 黒龍馬は、安堵の想いに包まれていたのだ。
 主リシと、そして龍神ナーガが今、ここに出逢えたことを、トハキは心から喜び、玉帝に深く感謝を捧げた。

 

◇◆◇◆次号へ◆◇◆◇

 

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