おディスいただきありがとうございまぁす

  • 2019.06.16 Sunday
  • 23:08

 そう。

 私は、自分で自分のことを、付き合いの良い方ではないがいつも大人しく本を読んでいて、穏やかで、でも話しかければいつも機嫌よく対応する、そこにいるだけで皆の心がホッと安心するような、真冬の太陽のような存在であるのだと、思っていた。

 のだが。

 

 今日、まあたまには聞くか、てな感じで後輩君の、主任(仮名)に対する愚痴を聞いたのである。

後「主任さん、面倒くさい仕事って僕かマルマルさん(仮名)にしか頼まないんですよ。でもマルマルさんは主任さんのパワハラが原因で最近体調崩して休みがちだから、最近はぼくばっかり集中攻撃なんすよ」

葵「あぁ〜、そうなの? それはひどいねえ」

後「そうなんすよ。葵さんとかカクカクさん(仮名)とか、何か言うとガーッと言い返してくる人には何も言わないで、ぼくらにばっかり言うんですよ」

葵「え?」

 

 白状すると、この後輩君の一言で私は、本当に心底、ビックリしたのだった。

 ガーッと言い返す?

 え、誰が?

 

 またし?

 

 いやいやいや、またまた。

 うむ、確かに私葵も、主任の態度がどうも昭和でパワハラで上からになりがちだよな、と見ることは、あった。

 けれど確かに、私なぞに物言う時にはなんか彼なりに下手に出て注意深く言葉を選ぶようなところも、見受けられた。

 そして能天気な私はそれを、私が彼と同期入社の者なので、何かストレートに言いづらいもんがあったりすんのかな、程度にしか、考えていなかったのだ。

 

 だなので。

 そんな、ガーッとなんやらするようなことではなかりけりだらうエエ君、と私はすぐに、内心せせら笑って聞き流したのであった。

 

 そしてそんな休憩明けの、午後の業務におきまして。

 明らかに連絡漏れと思われる案件が偶然見つかり、私は自席で「主任、いいですか」と手を挙げて呼びつけ、近くに来た主任に向かって、いや向かないままで、PCの画面をぴし、と指さしたまま、

「これ、申し送り欄になんにも書いてないですけど、先日の周知内容に照らせばコレがコウなってるのでコウしなければならない案件ですよね」

と、一気呵成に伝えた。

 主任は約三秒、無言でいた。

 私もPCを指さしたまま、一言の追加もなく、返答を待った。

「えーと、……コレがコウでコウで……確認します。ちょっと待って下さいね。確認します。すいません。ちょっと待って下さい」

 主任は同じことを二、三回繰り返しながら彼自身の席へワタワタと戻って行った。

 そして。

 

 んあ、これかよ。

 

と、私は思い到ったのだった。

 これとはつまり、「ガーッと言い返す」と指摘された件の、そういうイメージを抱かせてしまう要因となる、私葵の物腰、態度。

 そもそも主任に物訊くとき、自分が座ったままで相手呼びつけるし。

 目も見ないででかい声で一息に言い尽くすし。

 相手が返事もできずにかたまってても何のフォローもしないでただ回答待つのみだし。

 

 で、それに気づいてからというもの、なんといいますか、自分で自分に嫌悪を抱く抱く。

 嗚呼、なんで私はこんなに非親切で黒くて悪魔的なのだろうかと。

 ……と、つらつら書いてたら、嗚呼、思い出しました。

 確かに、ありました。

 主任より、こめんどくさい、予測ダメージ大業務の依頼を受けた時、私葵、こう、答えました。

 

「それ、私がやるの?」

 

 これってあれっすよね。私を誰だと思ってるの的な、ブリマどんな態度っすよね。

 わちゃー。

 あい。やってたわ。わたすやっとりますた。

 

 そう。

 私は、自分で自分のことを、付き合いの良い方ではないがいつも大人しく本を読んでいて、穏やかで、でも話しかければいつも機嫌よく対応する、そこにいるだけで皆の心がホッと安心するような、真冬の太陽のような存在であるのだとチャ〜〜チャ〜〜チャ〜〜〜(幕)

 

葵 むらさきの著書

 

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(2019-05-01)
コメント:「私」はその朝巨大なカエルに遭遇し、路上は命を賭した「だるまさんがころんだ」の戦場と化した──表題作ほか「さくらマーケット」「センチメンタル付属物」収録。女性主人公の、少しだけ不思議な日常世界を描いた短編集。

人は何故失敗するのか

  • 2019.06.14 Friday
  • 23:25

 それは、成功ばっかりしてると“魔”がつくからだ。

 ほらよく、完璧なものには魔がつきやすいつって、お寺の屋根瓦を一部崩して造ったりするじゃないですか。 よく、か?

 あれですよ。

 その失敗がなかったら、今日の自分は完璧だった。そんな時。

 

「あ、やべー、お前これ、失敗しとけ」

 

と言って、ご先祖様が失敗を持って来てくれるのだ。

 なのでそんな時には、

 

「ああ、はーいサンキュー」

 

と片手を挙げて感謝のひとつでもしとけばよいのだ。

 HP枯渇寸前の、あをざめて疲れきった暗〜い顔で。

 

葵 むらさきの著書

 

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(2019-06-12)
コメント:あなたの隣にいる人は、本当に人間ですか――? ロボットスナイパー・K川の元に舞い込んだ、存外な依頼。表題作ほか3作品収録のSF短編集。

どっちが凄い?

  • 2019.06.13 Thursday
  • 00:09

「命知らず」と「恐いもの知らず」とでは、どっちの方が偉いのか。あるいは優れているのか。あるいは、お馬鹿さんなのか。

 ……というようなことを、夜の夜中にふと思いついた。

 米津玄師を聴きながら。へへ毎晩のことですが。

 

葵 むらさきの著書

 

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評価:
(2019-05-18)
コメント:ショア惑星王国の王室に、一人の姫が誕生した。その瞬間、王室内に暗雲が立ち込めた。何故なら生まれた赤ん坊の髪が、紫の色をしていたからだ。呪われた遺伝子を持つ者として赤子の父親であるハルに死罪が言い渡される。ハルを運ぶ航宙船の前に、宇宙海賊の船が立ちはだかる。長編スペースオペラ、第一話。

水という字で生きる

  • 2019.06.08 Saturday
  • 07:22

 私は「人」という文字が嫌いだ。

 なんでかというと、下が両方ハライになっているから。トメてないからだ。

 そんな、足元がフラフラで心許ない状態で、何が「お互いに支え合う」だ。

 ちゃんちゃらおかちゃらぱいぽーぱいだ。むう昭和

 

 私は「水」で、生ぎたいッ!!! ←ニコロビン的に読んでね

 

 足元はぐっと踏ん張ってのちしょわッとはねくり返って、そんで前から何が来てもはらい、いなし、流すと。

 にゃ〜かっこエエではないか。

 楽そうだし楽しそうだし。ぷぷぷ。

 

 まあそうカンタンではなかろうけれども。

 

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評価:
(2019-04-10)
コメント:生態観察のため連れ去られた地球人たちに与えられた「食べ物」は、機能性重視の味気ないものだった。彼らは立ち上がった。「まっとうな」食物を求めて――やがてその欲求は、惑星の運命を文字通り、大きく揺さぶった――

チートのメカニズム

  • 2019.06.06 Thursday
  • 22:39

 ほへへ。

 久しぶりのおビールを飲みつつ、書いておりまつるよ。

 現WEB連載『魔法野菜キャビッチ3・キャビッチと伝説の魔女』を。

 や〜この時がやっぱ一番楽しいっすねえ。

 てれてれ〜んと、主人公ポピーやら、ポピー父やら、ポピー母やら、ポピー親友やら、ポピー教師やら、ポピー天敵やらが脳内で好き勝手暴れまくるさまを、つらつらと観察日記ばりにルポルタージュ的に書きつらねる。この作業。

 てか名前はよ! 登場人物らたちの!

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 毎週火曜日に、ま〜あっちこっちの小説投稿サイトに投げさしてもらっているものですが、極秘ウラ話ごにょごにょをさらさしていただきますと、この魔法少女ファンタジーですね、意外に、いっがっいっに、男性からのアクセスそしてブックマーク感謝! が、率高いのでげすよ。

 いやほんと。

 年代はあんまりわからないですがでも葵むらさき作品なんで恐らくは、三十代以降の皆様だろうと思われます。

 あでも、この魔法少女ファンタジーはあれですよ、もうピュアさ加減最高レヴェルで書いておるものでありますから。

 そう、決してけして、エ□要素なんざあかけらもみじんたりともちらつきゃしない。

 あ。

 だからなのか?

 もしかしたら。

 この、葵むらさきのくせに大丈夫なのだろうかコノヒトといわれかねぬ程の純粋ピュアらさ加減のところが、男性に受ける要素となっているのだろうか。

 今後の研究にゆだねるところである。誰が研究すんのか。マウスか。ハツカネヅミか。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 でですね、このシリーズの「1」と「2」をAmazon Kindleにアップした際にも思ったことであるのですが、まあ本作品に限らず、昔とくらべて私葵の小説の進み具合、話展開スピードが、非常にゆっくりになってきているなあ、と最近思うのですね。

『魔法野菜キャビッチ』の「1」と「2」、400字詰原稿用紙に換算すると恐らく100枚いってるか否か、という程度の長さ(短さ?)だと思うのです。

 これは多分、まあ昔は、ひとまずは出版社主催のコンテスト向けとして書いていたからでありますね。文字制限、枚数制限にのっとり、この長さにしていたと。

 あるいは「2」などは携帯小説として書いたものだったので、やはりあまり悠長な話は書けない。展開スピーディにして読みやすく、視神経への負担少なくしようトカ云ふ目論みの元書いたものだったので、読みやすく短く。わかりやすく。てな感じに、仕上がっているのであります。

 

 それに比べ「3」。現連載中のお話は、もう枚数制限もなければ、締め切りもなければ、プロット提出の必要もなければ、アアア自由なこと例えようもなし! といふ環境下において好きなよ〜〜〜に書き殴っておるものですから、そらー枚数は稼ぎますわなあ。

 展開、マイ、ペエエエェェェェス! と。

 もう思いついたことかたっぱしからこじつけるわ入れ込むわ割り込ますわ。

 妖精さんがどうのこうのって話なんだがその妖精って奴ぁいったいいつ出てくるんでい! というね。

 そう、さすがにもうそろそろ妖精出現の巻にもっていきたいなとは思ってるんですが、その前に、またしてもチョト思いついてしもうたファクタがありまして。エエ。

 

 そう、「2」のときも、キャビッチの持つ能力やそのしくみについてあれこれ書いたものでしたが、「3」はそれ以上に、もうガンガン、キャビッチの使い方あれこれ、基本そして応用、その成り立ちとしくみと効能と、さらにその回避方法とさらにさらに回避方法への対策と――てなところをですね!

 もう自由気ままに、思いつく端から、織り交ぜさせていただいております!

 そう、チートのメカニズムってやつをですね!

 

 みゃ〜これが楽しいのだわ!

 

 そんな感じの作品なんで、シリーズ三作目はたぶん、今までの二倍も三倍も、へたしたら十倍ぐらいは長〜くなっちまうかもですにゃ〜。

 そして無論のこと、お読みいただく皆様にも、楽しいと思っていただきたいと、何よりもそのことを心に据え置きつつ、ビール呑みつつ、書きすすめて参ります。

 どうぞご期待くださいませ。

 

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評価:
(2019-05-07)
コメント:ポピーは魔法学校に通う少女。その世界では、キャビッチという野菜を使って魔術を行う。ある日ポピーと親友ヨンベは、ちょっとした悪戯を思いついたが、そのせいでヨンベが恐るべき鬼魔(キーマ)にさらわれてしまった! 悲しんでいる暇はない、自分が助けに行かなくちゃ! かっこいい神様たち、そしてずる賢い鬼魔ユエホワと共に、ポピーの冒険が始まった――

女の指示はこま過ぎる

  • 2019.05.20 Monday
  • 23:18

 今朝のNHKの「あさイチ」で、旦那と料理をシェアするませう。というような内容で特集を組んでいた。

 まあ朝支度をしながら主に音声だけ、それもところどころの一部分を垣間聞いていただけなんですが。

 その時に、ふと思った感想なのでありますが。

 

 女って、指示がこま過ぎる。

 

 無論すべての生きとし生ける女すべての指示がこま過ぎると断言しはしませんけれども、得てして、大まかにいって、大概のところ、女の出す指示というのは事細か過ぎる。

 音声を垣間聞きながらふと「そこまで指図されちゃーそりゃー旦那さんも身動き取りづらいだらうに」という感想を抱きましてございます。

 

 これもごく大雑把な所感ではあるのですが、男性という生命体に指示を出すときには、

「最終的なゴール」

のみ提示すりゃあいいんでないのか。と思います。ひゃあ大雑把だわ。

 まあつまり、「最終的にこういう状態になるようにして欲しい」というだけでね。

 そこにたどり着くまでの経過プロセスを考える事、大概の男性て好きこのむもんじゃあありやせんか。雑感ですが。

 

 女性の出す指示って、途中の経過経緯を多岐にわたって仮定し予想しその場合はこう、この場合はこう、その為にはこれこれをそうこうして、でもこの場合はそうじゃなくてなにがしをどうこうして、そしてついでにあれもできるから、あっでもナニはしないでねあたしがやるから……

 

 うざし! 嗚呼ーー!!

 

 

 そらそこまでああだこうだいわれるならば、世の男性ならずとも思いはひとつ。

「なら自分でやれよ」

 まあ流石にそれを言っちゃあ家庭崩壊じゃろうとなれば、せめて「彼女の機嫌を損ねると予測される行為(つまり料理)には手を出さずにおこう。それが家庭安泰の為である」との結論判断に至るだらうことは想像に難くない。

 

 ……と思いはするけども、でも中には、手取り足取り事細かく丁寧に指導して欲しい、と望む向きもあるのだろうから、やっぱいつものアレだね。

 機を見て柔軟に。

 

 げに面倒臭き生き物よのう、ヒトといふものは。

 

 

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評価:
(2019-05-01)
コメント:「私」はその朝巨大なカエルに遭遇し、路上は命を賭した「だるまさんがころんだ」の戦場と化した──表題作ほか「さくらマーケット」「センチメンタル付属物」収録。女性主人公の、少しだけ不思議な日常世界を描いた短編集。

『ガアラムの流れる島』Amazon Kindle版

  • 2019.05.16 Thursday
  • 20:31
評価:
(2019-05-14)
コメント:神との邂逅を繰り返すことで、石は透明度を増してゆく──トレシアは自分の持つべき石を見つけたばかりだった。神に訊ねることはいつも一つ。愛する人にいつめぐり合えるのか──そんな無邪気な少女の前に現れた少年、ラミイ。二人は楽しく過ごし、二人だけの秘密を分かち合った。けれど平和な日々はつづかなかった──長編恋愛ファンタジー。

 こちらは昔、メールマガジンにて配信連載していた作品です。

 長編恋愛ファンタジー。そう、泣いてください。

 魔法野菜シリーズとはまた全然違う、重厚でシリアスで残酷なシーンさえ盛りだくさんのお話です。

 そして、泣いてください。こればっかし。

 

 さわりのとこを以下一部抜粋します。

 

=====================================

 

 光が静かに立ち去り、私は石を袋にしまって、ラミイとともに舟に乗り込んだ。
 小さな木舟は、眩い恒星の光の下、穏やかな波に揺られながら、あてどもない逃亡の旅へと漕ぎ出して行った。
 いや、少なくともラミイには、行き先に当てがあったようだった。
 彼は、時おり水平線と恒星との距離を、指で測りながら、進む方角を調整しているように見えた。
「どこに向かっているの」私は訊ねた。
「大陸さ」ラミイは、名前を訊かれたかのように、ただそれのみが答えであるといった感じで答えた。
「大陸って――」私は息を呑んだ。
 ラミイは、自ら死を選ぼうというのかと、疑った。
「大陸がいちばん近いしわかりやすいし、確実に食べ物にもありつけるだろうしね」ラミイは肩をすくめてそう説明した。「へたに、安全な無人島なんて探してたら、このまま海の上で飢えと渇きで死ぬのを待つばかりだよ。それよりは、さっさと大陸に上がって、腹ごしらえして、島の人間だって気づかれる前に国境を越えよう」
「国境?」
「ああ。大陸には、でっかい山があるんだ……知ってる?」
「――」
 私はかぶりをふった。
 生まれてから、島の外へ出るのは、これが初めてなのだ。
「そっか。まあ俺も、爺さんに話を聞いただけだけどね」ラミイはそう言って笑った。「その山を超えると、またちがう国が――ちがう神さまを信じて、ちがう言葉を話す、俺たちともピュイ族ともちがう人達の国が、あるそうなんだ」
「そうなの――?」私は、ラミイの博識に舌を巻いた。「あっ、そういえば、あんたのお爺さんは?」
 私の唐突な問いかけに、リムの睫毛は伏せられた。

 ややあって、彼は小さく言った。「さっきの市場にいたよ」
「えっ」私は、舟の上で身を起こした。「……あたしの父さんと、一緒に?」
「うん」ラミイは、櫂を漕ぐ手を休めることなく、あっさりと言った。
「だって……なんにも言わなかったじゃない」
「ごめん」
「なんで教えてくれなかったの?」
「うん……」
「それに、埋葬だってしてあげてないじゃない」
「まあ、埋葬はいずれ大陸の者たちがしてくれるだろうし」
「そんな……ラミイ、あんたのお祖父さんでしょ?」私は、怒りに似た感情を覚えた。「なんでそんなに冷たいわけ? あんたのたった一人のお祖父さんなのに」
「早く逃げなきゃいけないと思ったからさ」ラミイは、早口でぼそぼそと答えた。「だから……トウのお父さんとお母さんを埋葬するだけにしとこうって」
「――」
 私の肌に、稲妻のようなものが走った。
 この少年は、私の両親を埋葬することを優先させるため、自分の肉親の亡きがらを葬ることをあきらめたというのか。
 私の側を優先させるために?
 なぜこの少年は――
 なぜこの少年はそんなにまで――
 気がつくと、私はラミイの頬を自分の手ではさみ込んでいた。
 ラミイはすこし驚いたようで、櫂を持つ手がぴたりと停まってしまった。
 私だって、自分で驚いていた。
 けれど、この少年に、なにか――優しさを、絶対不滅の慈しみといったようなものを、あふれんばかりに、与えてやりたかった。
 なぜ、この少年がそこまでして私を思いやってくれるのか、彼がほんとうにはどんな想いでいるのか、それはわからなかったが、ただ私は、ラミイにふれ、自分のなかのありったけの感謝と温情を注ぎ込んでやりたかった。
 彼の心に傷やささくれがあるのならば、それらのすべてをそっと癒してやりたかった。
 彼がそうしてくれたように。
 私とラミイは、しばらくそのままお互いに見つめ合っていたが、私は心の赴くままにまかせ、ラミイの唇に口づけをした。
 ラミイはすぐに櫂を手放して、私をつよく抱きしめた。
 私は、可笑しくなるほどに、ふるえていた。
 私たちは数えきれないほど口づけを繰り返して、その小さな木舟の底に横たわり、抱きしめ合い、ふれ合った。
 そうして二人ともふるえながら、ひとつに結ばれた。

 

=====================================

 

 ってな感じっすね。てっへへへ。

 さわりの部分てなあよ〜するにアレなトコってコトっすかねえ。でゃっはっはっ。盛り上がる寄り合い

 まあ、あれですわ。

 泣いてください。こればっかし。

 

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進撃のくるっくー

  • 2019.05.15 Wednesday
  • 23:38

 私事でネタバレで恐縮なのですが。

 うちのバルコニーからは、隣のマンションの屋上が見渡せるのです。

 どちらも、非タワーです。素朴な造りの。

 まあそれはさておき。

 

 その隣のマンション屋上に、しばらく前から鳩が二羽、たたずんでいるのが見られておりました。

 つがいかどうかは未確認・未聴取・未興味。

 その、鳩どもが。

 よりによって。

 

 今回うちのバルコニーの中に不法侵入してきたのです。

 いくら真向かいだからって。あんたら。

 当然、追い出しました。ただちに。

 

 鳩たちはまさか追い出されるとは予想だにしていなかったのか、慌てて向かいマンション屋上に飛び戻り、じっとこちらの様子をうかがっていました。

 そしてその後、鳩たちは何事か話し合ったらしく、屋上から飛び去り姿を消しました。

 ほ。これで一安心。

 と思ったのもひと晩のこと。

 

 翌朝、バルコニーから聞こえる足音にてがばっと起床した私は履き出し窓をガラッと開けガラッとすぐ閉めました。

 開けたまん前に、鳩がいてびくッとこちらを見たからです。

 間を置かず私は再度履き出し窓を開け、鳩を追い出しました。

 鳩は慌てて、つんのめりながら立ち去ってゆきました。ていうか、飛び去ってゆきました。

 

 私葵は拙作『スペースドライヴァー坂本』に出て来る野卑な宇宙の運送屋たちのごとく、鳩を罵りました。

 

「この糞鳥綱が! お前ら、バードサピエンスかよ!」

 

 まあそんなこと言っても詮無いことですがね。

 とりあえず、鳩が忍び込んで来られぬよう、奴らの身のねじ込み可能なスペースをことごとく潰し、多少洗濯物干す段において不便が生じはするものの、対策を講じたのでした。

 

 その後鳩らの姿は約一日がとこ見えまてんが、どうなることやらこの先。

 なんでうちに来るのかね。

 鳩を呼ぶ何かがあるのだろうか、うちのバルコニーに。

 ガルダ様でもいるのかな。あ、これは拙作『聡明鬼』に出て来るキャラでつ。てか神でつ。

 

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評価:
葵 むらさき
Hon’sペンギン
¥ 1,620
(2005-07-29)
コメント:平和な銀河に突如として現れた謎の怪物。生き物が、ヒトが次々に襲われ始める。そして宇宙の運送屋・坂本たちに、その捕獲が依頼されたのだった──長編スペースドライヴアクションストーリー。

不健康自慢は挨拶代わり

  • 2019.05.10 Friday
  • 23:51

 三次元職場での休憩時にですね。

 同期入社の子(以下、同子)と、

「最近どお〜?」

「にゃ〜年がら年中アレルギーなんだよね〜」

「ええ〜花粉症お〜?」

「にゃ〜多分ね仕事アレルギーだと思うわ仕事するだけでアレルギー出るのよ〜」

「あ〜それ同じ! それアタシアタシ!」

 と、近況報告という名の自己憐憫のキャッチボールをかましかわしたのだが、ふと以前かわした話を思い出し

「そういや睡眠障害の具合はどお?」

と私は質問かましかわした。内心(アタシもなんだけどね〜)と自己憐憫をかましつつ。

 したら同子はぶんぶんと首を振り

「もう全然ダメ〜。相変わらず短時間でパチーーッて目が覚める〜」と愚痴かましくる。

「あ〜それ同じ! 眠い〜て思って寝ても、1時間ぐらいでバチーーッて目が開く」と答えた後「もうね、なんか取り憑いてんのかな〜って思う」と告白かますと同子は、

「あ〜それ同じ! アタシ夜寝る前にユーテューブで恐い動画観て寝るから何んか寄って来てるんじゃねーかって〜」

「まじ〜? 何の動画?」

「えーとね〜、これこれ」

「ほーほー、へ〜、あっこれなんか見たことあるかも」

「ほんと〜? これめっちゃ恐いよね〜」

「ほんと〜? じゃあ違うやつかも〜なんかあんまし恐くねーなとか思いつつ観てた記憶があるから」

「まじ〜? 頼むよ〜○○だよ〜一回観てみてよ〜」

「うんわかった、○○ね。うんうん」

 

 あーー長かった。

 てか、

 

 うるせえわ休憩室でお前ら私ら。

 

 ごめんなたい

 

 んで結局件の恐い動画のタイトルというのかユーテューバー名というのかは、半分しか覚えてにゃいというね。

 あんだけおお騒ぎやがってからに。

 

 んでさらに、もしもタイトルというかユーテューバー名すべて覚えていられたとしても、それはそれで、観ることができないのである。

 

 

 恐いから。

 

 

 夜はね。

 今度の休みの日に、昼間の明るい時に、覚えてたら観ることにしよう。

 

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脊髄反射でお断り

  • 2019.05.05 Sunday
  • 01:58

 バスに乗っていた。

 しばらく走ったところで、不意に、隣に座っていた見知らぬ初老の女性に、ポン、と腕を叩かれた。

 振り向くと女性は小さな個包装の飴を差し出しながら

「レンコン飴食べる?」

と訊いてきた。

「いえ結構ですすいません」

 私は条件反射のように断った。

 

 断りまつた。

 だって知らないおばちゃんだから。

 知らない人にもらうレンコン飴なんて、何が入ってるかわからないでそう。

 まあ差し向きレンコンは入ってるかも知れまてんが。

 

 この話を友人に話して聞かせたところ、友人曰く

「ああ、あるよレンコン飴って。喉にいいのよ」

と。

 

 

 そこでつか。

 

 

 ていうか、

 

 

 なんで見知らぬ赤の他人に突然飴?

 

 

 ていうか、

 

 

 パブロフの犬みたいに他人拒否してんじゃねえ!

 

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評価:
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(2019-04-02)
コメント:幼稚園ママは忙しい。家事に用事、子供の世話、PTAの役員会議、そして鳴りやむことを知らない電話……表題作ほか「吸血鬼・明」「地階の異界でオフ会を」収録。

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